DDTという運命
この記事はプロレス Advent Calendar 2015 - Adventarの15日目の記事です。
ちょっと諸事情があり投稿が遅れましてすみません。
遅ればせながら今年プロレス観戦デビューしそのまんまハマった話をしようと思います。
プロレス・アラウンド・私
別の記事で述べましたが、私は長年新宿ゴールデン街でバイトをしていました。
私のバイト先にもプロレスファンが多く来店されたり、よくいくお店がプロレス酒場的な側面があったりしました。
また、かつての職場のコワモテ氏(40代・妻子あり)も長年のプロレスファン、格闘技ファンでしてFacebookで思い出の試合や観戦記を綴っておられました。
さらに、友人がプロレス関連の記事や書籍を編集していたり、いわんやSNS友達のプロレスファンをや、なにかと私の周りにプロレスファンがおりました。
ただ、彼らがプロレスが好きなあまり語り込んだり、なにかと物事をプロレスの試合ないし団体に喩えるところについていけず、プロレスに関わるには詳しくないといけないのかな~という遠慮はありました。きっかけもなかったんですよね。
ところが運命とはあっさりとやって来るものです。
今年の8月。ゴールデン街つながりの旧友S(30代後半男性・彼女あり)が「プロレス行かね?」と訊ねてきまして、暇だった私はOKしました。
私の周りのプロレスファンから何度かその名を聞いた、DDTの興行でした。
はじめてのプロレス、はじめてのDDT
その大会は「両国ピーターパン2015〜DDTより愛をこめて〜 」でした。
敢えて事前知識を持たずSに導かれるままに両国国技館へ。
大相撲を観に何度も足を運びましたが、大相撲「以外」での国技館は初めてです。
土俵の代わりにリングがあります。生まれて初めて見る生リング。
そして巨大モニター、花道…
待ち合わせ時間が試合開始まで時間があるじゃないの、と思いきや物販やダークマッチなどコンテンツが盛り沢山なのですね。ただそこにある熱だけで、ついTシャツやタオル買いたくなりました。パンフレットと公式ガイドブックで5000円もしましたが、2冊セットに団扇がついていまして、そこには両国ピーターパンの出場選手(当日のドラマティック・ドリーム・マッチに出場した新日本プロレスの棚橋弘至選手も!)がバッチリ写っており、品質が大変よかったです。
試合開始までの間にガイドブック、パンフレットをパラパラ見てSのレクチャーを軽く受けます。そして次々とさまざまなスタイルで試合が展開されていきます。
DDTの素晴らしいところ
休憩時間前にはDDTが素晴らしいプロレス団体、エンターテイメントであることを認めました。他団体の試合を観たこともないのに判ったことを言うようですがお許しください。
ともかくテンポがよく勢いがあり、わかりやすい試合運び、演出。技が決まれば拍手と歓声、選手によってはテーマ曲そして掛け声、初心者もついていけます。
コミカルもシリアスも真剣にやる。ネタも技も大胆かつ繊細。
DDTのノリというかコンセプトがストライクゾーンでした。たとえば目隠しをしてブラジャーを装着した状態で試合し、ブラを外されたほうが負けというルールの試合もありました。煽りパワポのスーパー・ササダンゴ・マシンもいます。ネットで話題となった頃にYouTubeで見たよりも格段に面白かったというのが初めての生・煽りパワポの感想でした(やがて11月の興行で中の人…ごほっ、と言われている…マッスル坂井のすごさを思い知ることになります)。
試合そのものではない話ですが、団体が飲食事業を展開していたり、「酒場プロレス」といって入場料に飲み放題込みの興行を打っている点も、仕事人としてなんとか生き延びている私には素晴らしいと思います。
プロレス観たら反省会だよね
メインイベントのKO-D無差別王座戦では坂口征夫選手とKUDO選手の兄弟対決です。これはDDTのユニット「酒呑童子」のメンバー同士で闘うため名づけられたもので、大変義理堅い男・坂口選手がKUDO選手を「兄貴」と慕っていましたが闘うからには殺ってやる!というものでした。
かなり白熱した兄弟対決ののち坂口選手が勝利すると、賞金金額の書かれたボードを坂口選手が膝で割る!そしてKUDO選手と、ユニットの同士であるKUDO選手のセコンドをつとめたマサ高梨選手に渡します。兄弟同士で賞金をわけるというわけです。
そして試合後退場しようとした坂口選手にマサ高梨選手が呼び止め、酒盛りを始める、しかもDDTのメンバーが法被をまとい、坂口選手は神輿に担がれる。BGMは北島三郎の「祭り」ですよ!
あまりに明後日の方向から、かつ、感動の流れに涙しました。
試合後はやはりビールを片手に反省会となり、興奮して何が面白かったかを話したのち、ふと啓示が降りました。
「私はこれまでプロレスを知らずに人生何を知っているつもりだったのだ」と。
Sは一人のDDTの(熱狂的な)ファンが生まれた姿にニヤリとしていました。Sは当時ちょっと元気がなかったようですが両国ピーターパンを通じて勇気づけられたらしく、いつか「KUDO選手に蹴られたい」と話していました(マゾでもゲイでもなく、アントニオ猪木さんのビンタよろしく檄を入れられたい的な意味のようです。)。
来年はもっとプロレス観るぞ!DDTファン仲間がほしいぞ!
そのようなわけで、プロレスの歴史や哲学、団体について知識のないまま、刷り込みでDDTのファンとなり、11月17日の「#大家帝国主催興行~マッスルメイツの2015~」(これも素晴らしい興行でした)に一人で観に行くまでになりましたが、来年はもっとプロレスを観に行きたい。他団体の興行もみたいと思います。
でもやっぱりDDTが一番好きだと思います。好きなレスラーはエースHARASHIMA選手、尊敬するレスラーは仕事人としてのあり方的には坂口征夫選手、ビジネス面・演出面としてはマッスル坂井選手(所属は正式にはDDTではないけど)、プ女子的視点では竹下幸之介選手や遠藤哲也選手もいいですね。
目下の悩みはS以外のDDTファン仲間がいないことです。ですのでそのうちDDTが経営するエビスコ酒場に足を運ぼうと思います。
それでは引き続きプロレス Advent Calendar 2015 - Adventarをお楽しみください。16日目の記事など大変すばらしくて、プロレスアドベントカレンダー界の馬場さんと呼びたい感じです。