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天国もいつか嫌になる

日本酒と私2015(あるいはよくあるご質問への返答)

この記事は「日本酒 Advent Calendar 2015 - Adventar」1日目の記事です。

ふだん飲みの場や日本酒の話題で、よく訊かれることがあります。それがそのまま自分と日本酒との関係、思いにつながるので、その話をしようと思います。

いつから飲むようになったの?

日本酒と向き合って飲むようになったのは、2011年の春頃からです。

理由は、大震災によるところが大きいです。これに関するボランティアとか、社会問題への怒りとかデモに自分がコミットするのはちょっと躊躇しまして、自分なりにできることとして福島の日本酒を飲もう!と思い立ちました。

だって福島生まれだから。小さい頃から宴会や進物で地酒の瓶を見て育ったから。

日本酒と向き合って…と書きましたが、じっくり飲んだり、誰かと楽しくペロンペロンに酔ったり、スタイルは様々です(^^ゞ ともあれ興味をもって、応援や愛をこめて飲むようになったのはそのぐらいです。

そして今は

きき酒師の資格をとり、都内の日本酒バーで週に数回お手伝いをしています。

より詳しく言うと、2011年に日本酒をよく飲むようになって、当時バイトしていた新宿ゴールデン街のバーにて、お店が仕入れている日本酒を調べたり、常連さんと蔵開きイベントへ行ったり、ひとり飲みができるお店を調べたり教えてもらって飲み歩いていました。

やがでゴールデン街の中で別のお店を移って、そこでオーナーに「みどりちゃんが日本酒を仕入れていいよ」と承諾を得たので、自分で仕入れておつまみも自分でつくって提供していました。カウンター7席だけの小さなお店で貸し切りイベントをしたり、自分の誕生日にはドカンとお酒を仕入れてパーティーをしたり(だってひとりぼっちよりは仲間と飲んで酔った方が楽しいから)、ゴールデン街のお祭りにはワンコインで自分の選んだお酒を提供していました。

やがて仕事が忙しくなったり、もろもろの事情でゴールデン街を卒業して、少しふらふらしていたのですが、ご縁があって日本酒バーでお手伝いさせていただいています。

※私は他にもWebなお仕事をしています。

きき酒師の資格をとったのはなぜ?

まず、ゴールデン街時代にお客様にいろいろ質問されて答えられないのが悔しかったからです。心の何処かで「この管理方法で合ってるのかな~」と思うところもあって、正解がわからないというのもありました。

まあ、ラベルに書いてある項目をググったり、日本酒の本を買って勉強することはできますしそうしてきたのですが、断片的なインプットはどうも頭に残らないのです。

飲みながら勉強すると酔っちゃうし。

体系的に学べるのが「きき酒師」の資格だったのですが、申し込んだ後で知人にそれを話して、運営側にとってはおいしい資格ビジネスだと気づいてムキー!となりました(笑)。

でもまあ、テキストは手元にあるし、知識がまとめて書いてあるのはそれぐらいだったし、だらだら読むよりは試験に受かるために勉強したほうが自分のものになるし、と思い直し、受験資格が切れる直前に受験して、合格しました。

※あ、昨今のメディアの日本酒の情報はちゃんとしているところはちゃんとしていて、どんどん内容が濃くなっています。雑誌やフリーペーパーであっても正しくコンパクトにまとめてあるので、資格をとらないと知識を覚えられないということはないです。

きき酒師(の資格)って役立つの?

飲食店で働いていて、日本酒を説明したり、お客さんの質問に答える分には、やはり勉強してよかったなと思うこともあると思います。

けれどもそれらの知識は基礎のなかの基礎なので、いい店で働いて自分よりもっと詳しい人から学んだり目や耳で盗み取ったりすることのほうが得るものが大きいし多いと思います。

基礎は大事です。間違ったことを伝えて、お店や自分が恥をかくのもありますが質問した人がその話を信じてしまったらと思うと怖いのです。全問正解の勢いで頑張りましたし、マジで日本酒を伝えていきたい人は合格点を狙うよりも出題範囲は全部正しく理解しておいて普通なのだと思います。

資格を取るというよりは一通りの知識を得る一環であるという捉え方です。

まあ、試験結果は合否しかわからなくて、問題も持ち帰れないし自分の正答率がわからなかったのだけど…

日本酒を仕事にしていない方も、知識が積み重なっていることで、次に何かを覚える際にインプットしやすくなります。実際にはお蔵さんに質問をしたり、酒販店でお酒を選ぶとき、お酒を飲むとき、基礎的な知識があると話しやすいでしょう。

試験を受ける意味はあったとは思いますし、いちおうちゃんと勉強したよというシルシにはなると思いますが、同時に何も偉くないとも思います。

自分の持っている知識なり自負感が、他の人(お客さんやお蔵さん、酒販店さん)を圧迫するようだと信頼関係が築きにくくなります。私も常日頃気をつけたいです。

イチオシの日本酒は?

これもよく訊かれるのですが、言えなくて困っています…(^^ゞ

どれも美味しいと思いますし、美味しく飲むようにするにはどうするのがいいのかなーと考えます。仕事のポジションとしてもイチオシを伝えるのは押し付けにならないかなーと遠慮してしまいます。

もちろん美味しい日本酒は「美味しい」とか「これ好き」などと声を漏らしています。

また、体調や気候によっても飲みたいものがころころ変わります。さっぱりしたもの、酸のきいたもの、ジンワリした味わいのもの。冷酒、燗酒。

それでもやはり贔屓は、自分の地元のお酒、名前がかぶっているお酒です。

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当記事はそろそろぼちぼち、以上です。

明日以降も日本酒 Advent Calendar 2015 - Adventarで、いろいろな方が日本酒について話してくださるので、どうぞ楽しみにしていてください。

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それでは明日のアドベントカレンダーに引き継ぎます。